災害の被災写真(白黒写真)を
カラーでご覧頂けます。 |
提供:国土交通省沼津河川事務所 |
死者・行方不明853名という甚大な被害を狩野川流域に与えた台風22号は、後に気象庁が「狩野川台風」と命名し、被害の大きな台風を地名で表現する第一号となりました。戦後の復興期にあった静岡県に、忘れることのできない大きな爪跡を残した災害です。
狩野川台風で注目されることは、被害が狩野川流域を中心とした狭い地域に集中していることです。これは、強雨域が長時間にわたってほとんど動かず、狩野川の上流域に大量の雨をもたらしたためです。上流域では土石流が多発していますが、この地域は戦争中には薪として、戦後は復興のために大量の木が切り出され、伐採跡地や植林されたばかりの林が目立つ山となっていました。こうした場所から、数多くの土砂崩れや土石流が発生しています。また、中流域では、上流から流れてきた土石や流木が修善寺橋に引っかかり流れを止める、「閉塞状態」を作りだしました。この修善寺橋が倒壊することで、溜まった大量の水が一気に流れ出し、下流域に大被害を及ぼしています。
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狩野川台風における中島地区(静岡県伊豆長岡町)周辺の被害状況(上流から下流を望む) |
下流部:修善寺町、大仁町、伊豆長岡町、韮山町、函南町、清水町、沼津市 |
狩野川の氾濫と内水により一面に浸水した田方平野、旧河道は水みちとなっている(静岡県田方郡韮山町、伊豆長岡町)
一面泥と流木の田方平野 |
南江間地区(静岡県田方郡韮山町)堤防の決壊による家屋浸水 |
千歳橋に堆積した流木 |
土砂と流木で埋まった集落 |
狩野川放水路 |
1965 年に狩野川放水路が完成し、その後の度重なる出水において洪水の低減に大きな役割を果たしています。 |
狩野川放水路の放流(平成10年9月16日 洪水) |
提供:国土交通省沼津河川事務所 |