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伊勢湾台風 昭和34年(1959)9月26日

提供:国土交通省木曽川下流河川事務所

和歌山県潮岬付近に上陸、紀伊半島を縦断した伊勢湾台風は、東海地方を中心に“明治以来最大”といわれる深刻な被害を各地にもたらしました。これを契機として「災害対策基本法」が制定されるなど、日本の防災史にも大きな影響を与えた台風となっています。

災害の概要

堤防を破壊した高潮、全国で5,000人以上の命が失われた超大型台風。

 伊勢湾台風を語る上で、欠かすことができないのが「高潮の被害」です。強風による吹き寄せと低気圧による吸い上げ効果によって起こった高潮は、名古屋港において、観測史上最高となるN.P.5.31m(名古屋港基準面)の潮位を記録。伊勢湾沿岸の防波堤や海岸堤防に、猛烈な高潮が襲いかかりました。全国で死者・行方不明者は、5,000人以上になり、1995年の阪神・淡路大震災まで戦後の自然災害では、最大の被害となりました。復旧工事にあたっては、木曽川河口付近・海岸部での高潮堤防の高さを原則7.5mとするなど、伊勢湾台風の潮位、波高を踏まえて、高さや構造が決められました。

木曽三川下流域の浸水状況(長良川、揖斐川河口付近空から上流側を望む)

●台風経路図

参考資料:伊勢湾台風復旧工事誌 上巻

●気圧の推移と潮位の変化

参考資料:伊勢湾台風復旧工事誌 上巻

●台風の直接および間接の影響による
 2日間の雨量(9月25日9時~27日9時)

参考資料:伊勢湾台風復旧工事誌 上巻

浸水状況

被災者は全国で120万人。台風の猛威は想像を絶し、被害は広範囲・長期に及んだ。

 海抜0メートル地帯では、台風後も長い間浸水状態が続きました。海部郡南部周辺では、決壊した堤防が修復され排水が完了するまで、120日間以上にわたり浸水状態が続き、浸水区域の被害を一層大きくしました。


伊勢湾台風による決壊箇所と浸水状況図

参考資料:伊勢湾台風復旧工事誌 上巻

●一般被害状況

愛知県:伊勢湾台風災害復興誌、岐阜県:岐阜県を襲った伊勢湾台風、三重県:伊勢湾台風災害誌

県 名 死 者
(人)
行方不明
(人)
負傷者
(人)
床上浸水
(戸)
床下浸水
(戸)
全壊流失
(戸)
半 壊
(戸)
岐阜県 86 18 1,708 2,400 8,875 4,022 12,337
愛知県 3,168 92 59,045 53,560 62,831 26,528 97,049
三重県 1,233 48 5,688 30,852 31,803 6,745 16,704

浸水状況

愛知県

名古屋港東部を上空南方向から望む
撮影者:陸上自衛隊

貯木場から流出した木材(名古屋市南区山崎川河口付近)
撮影者:陸上自衛隊

立ち往生した蒸気機関車が避難者の仮住まいとなる(蟹江町)
撮影者:陸上自衛隊

水没した国道1号と近鉄名古屋線(蟹江町)
撮影者:陸上自衛隊

筏川河口付近の浸水状況(飛島村、弥富町)
撮影者:陸上自衛隊

飛島村古台付近の家屋の浸水状況(飛島村)
撮影者:陸上自衛隊

三重県・岐阜県

木曽川下流部付近の浸水状況(長島町、木曽岬村、弥富町) 撮影者:陸上自衛隊

近鉄名古屋線の被害状況(長島町)

木曽岬村の浸水状況(木曽岬村) 撮影者:諸戸信子氏

牧田川の堤防決壊による養老町の浸水状況(養老町) 撮影者:陸上自衛隊

牧田川右岸根古地の堤防決壊による被害(岐阜県養老郡養老町多芸輪中地内)

復旧状況

飛島村重宝付近の応急復旧工事(飛島村、弥富町) 撮影者:陸上自衛隊

旧干拓堤の嵩上げ工事(十四山村、飛島村) 撮影者:陸上自衛隊

道路の嵩上げにドラム缶1万本をかり集めたドラム缶工法 出典:伊勢湾台風30年誌

長島町の国道1号に設置されたベーリー橋を上空南西方向から望む(長島町) 撮影者:陸上自衛隊

仮設ポンプによる排水作業(長島町)

白鶏の揖斐川左岸の仮締切工事(長島町)

現況 現在の木曽三川河口部・名古屋港・他

 壊滅的な損壊を受けた伊勢湾沿岸の高潮堤防、海岸堤防、防波堤等について、国、県が一致協力して復旧、対策の計画を取りまとめ(伊勢湾高潮対策協議会)、伊勢湾台風から僅か3年という驚異的な速さで事業を完成させました。

木曽三川河口

国道1号(名古屋市中川区富永町)

名古屋港高潮防波堤

根古地の記念碑

白鶏締切の碑と伊勢湾台風記念館

揖斐川と支川牧田川(養老町)

提供:国土交通省木曽川下流河川事務所


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